2012年6月22日金曜日

エピソード4〜メモ帳とペンinポッケ〜

某家電量販店内の3Fだか4Fだかに店舗を構えていた、古本屋があった。。ボクはそこで、なかいま強という漫画家の「うっちゃれ五所瓦」なる相撲漫画を楽しみに読んでいた。

なかいま強は、中学野球部時代に「わたるがぴゅん」という野球漫画が流行っていた影響でボクも嵌り知った名前である。ドカベンなど定番どころへは全く関心を示さなかったがこの「わたるがぴゅん」だけは好きな野球漫画だった。作者の温かみのある人柄がダイレクトに反映されており、心地よく面白いのであったからだ。

他に、この古本屋で初めてネットで話題のウシジマくんを読み、衝撃を受けたこともある。

しかし、この古本屋でのボクの楽しみは、なかいま強の「うっちゃれ五所瓦」だけでは無かった。。。少女漫画も多数取り揃えてあったそこでは、ヲタ系な見た目の女子たちがいつもいたのである。そして、大学3年の秋〜冬だっか。丁度シューカツ戦線スタートの時期に、シューカツよりも別の事柄に関心が高まっていた。

・・・ナンパである。自己啓発本を読んだり2ちゃんねるで説教厨から説教を受けていたボクは、自分から積極的に道を開かなければならない的定番の強迫観念にとらわれていた。。そして開こうとしていた道は、モテ男の道であり(何故か生きるとかお金を稼ぐとか社会的問題には全く関心がなかった。今もだが。。。)、そのための手段としてナンパを思いついた。というか、普通にバイトやサークルで彼女を見つけるというのは、できそうもなかった。

それにその頃、ちょうど「準ひきこ森」という新書にはまっており、まあ準ひきこもりはいまでいう真面目系クズみたいなものであった訳だが、その状態を脱する方法としてナンパセラピーなるものが紹介されてもいたのだから、導かれるようにナンパをやろうという気分が増長していった。そういえばUstreamで自殺配信をしたドラという男も、仙台のナンパ師だったらしい(実はドラとオフ会で会ったことがあるのだが、その話は後のエピソードにて書こうと思う)。

ただナンパをするには問題点がありすぎた。というかナンパだけでなく人生何をするでも問題点だらけな訳だが。。。まず女性を惹きつける魅力的なトークテクニックがないどころか、そもそも日常会話を成立させることすら困難なコミュ力。決してイケメンではなく犯罪を犯しそうな不気味な顔。低身長。たるんだ身体。ちょうど美容室へ通っていたのにダサくなってしまう髪型。。。はっきりいって勝機は、無かった!

それでもボクは、挑戦をしようと決意した、この困難を乗り越え、可愛い女性に承認されるしか、自分に残された道はないぞと。大学2年の冬に突然音信普通になったあの大好きだった後輩を忘れ去り、あたらしい人生を開くにはナンパしかないんだと、そういう心持ちでもって、とにかく決行することにした。

場所は、「うっちゃれ五所瓦」の置いてあった古本屋だった。その時のターゲットは、20代中盤に見える、ミニスカートを履いた清楚風の女性だった。はっきりいってこの女性でなければダメという理由など一切無かった。たまたまその場に居合わせたというだけである。ボクはその女性の後を付け、お店を出たところで「す、すいまふぇん・・・」と何とも情けない声で声掛けした。そして、女性が振り向くとメアドが書かれたメモ帳を手渡した。この時点で激しく緊張し一刻も早くその場を逃げ出したくなったボクは、何も会話などせず足早に姿を消してしまった。世界一情けないナンパかもしれなかった。しかしそれでも、勝ち誇った気分で一杯だった。自分から女性に声を掛け、アドレス書いた紙を手渡したぞ!と大声で叫びたくなった。それが出来た時点でボクは勝利を確信したのだ。当然、メアドに返事は来なかった。。。

その後別の日に、2回ボクは同じアドレスを書いたメモ帳作戦を実行したが、それっきりだった。なぜかというと、最後のナンパ作戦実行時にターゲットとしていた女性のボクを見る目は完全に怯えていたからだ。この怯えた目を持って完全理解した。「あぁ、これは只の不審者じゃないか」と。自分のやっていることは、不審者の不審な行為そのものだったのだ!!そして声を掛けられた女性は、下手をすればトラウマになるのかもしれなかった。自分は悪いことをしたなと反省し、それ以降、ナンパは辞めた。。。もうエロゲにでも目覚めて2次元の世界にのめり込むしか無いのかも知れないと思い、Fate stay/nightをPCにインストールしのめり込んだ。セイバールートでイリヤが士郎に跨るシーンに、妙に興奮した。シューカツは、説明会に出て筆記試験を受け面接を受け満足し、やったつもりになっていた。。。女性に承認されないこの満身創痍の状態で、シューカツなど頑張れる筈もなかった。。。

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